|
糖鎖(とうさ)の情報がてんこ盛りのブログです
|
||
|
インフルエンザ・ワクチンでタミフルが糖鎖を応用したものとして有名ですが、インフルエンザだけではなく多くの感染症治療開発に糖鎖が貢献することは間違いないようです。 2006年8月19日の毎日新聞には以下のような記事が掲載されました。 --- ヒト型糖鎖:増田化学工業と香川大、 「糖鎖」大量生産に成功−−世界初 /香川 ◇がん早期発見診断薬や感染症治療薬開発に道 ロケット燃料などに用いられる爆発性のヒドラジンの関連物資を製造する増田化学工業(本社・高松市、増田隆文社長)と、香川大総合生命科学実験センターの研究グループが「ヒト型糖鎖」の大量生産に世界で初めて成功した。安価な糖鎖の調達を可能にし、がんなどの早期発見に有効な診断薬やインフルエンザなどの感染症治療薬の開発、再生医療の研究促進につながると期待される。 --- 化学分野、生物学分野の研究者たちが日夜糖鎖研究に取り組むことにより、夢の新薬開発の実現に着実に近づいている気がします。 日本の糖鎖研究においてノーベル賞に最も近い人、もう一人が大阪大学の谷口直之教授といわれています。 2005年08月13日付けの静岡新聞に以下のような記事が載りましたので、引用します。 --- 【「糖鎖」の働き解明へ - がんや感染症に関与 - 】 ゲノム、タンパク質に次ぐ“第三の生命因子” 実用重視の研究に期待 厚生労働省は二十三日までに、ゲノム(全遺伝情報)、タンパク質に次ぎ、さまざまな生命現象を引き起こす第三の因子「糖鎖」の働きを解明する研究に取り組むことを決めた。 糖鎖は、ブドウ糖や果糖などの糖質が鎖状に連なって、前身の細胞の表面に枝のように突き出ているもの。体を形づくるタンパク質に結合して多様な機能を持たせるほか、細胞同士の認識や作用、がんの転移や病原体の侵入にも関係する。 研究が進めば、がんや感染症の予防、治療法の開発につながり、人工臓器の実用化や再生医療など幅広い分野に役立つと期待される。厚労省は、研究班を設置し、二〇〇六年から三年間をめどに研究を進める計画。 (中略) 谷口直之大阪大教授(糖鎖生物学)の話 糖鎖を解明しないと、人間の体のことは分からない。データの集積や情報交換、専門の研究者育成を進めなければならず、本来は国立の専門研究機関を設立し組織的に研究することが必要。しかし系統的、総合的な国の資金援助がない。厚生労働省の今回の取り組みは決して早いとはいえないが、病気の治療は診断、新薬開発など実用面を重視した研究が進展しそうだ。 --- 糖鎖の全貌が解明されたら医者が入らなくなるのではないかとまでいわれているこの研究は、今世界中で私たちの知らない水面下で進められているようです。 是非とも日本の糖鎖研究が活発に進むことにより、世界の研究レベルの底上げに貢献していただきたいですね。 それは、とりもなおさず私たち、或いは私たちの次世代の医療や健康な生活に直結してくるものですから... 現在、糖鎖研究で最もノーベル賞に近い教授が2人いるといわれています。 その一人が北海道大学の西村紳一郎教授です。 2004年11月11日付けの日本経済新聞の記事を引用します。 --- 全遺伝情報(ゲノム)に基づいて作られるたんぱく質を解析する「ポストゲノム」の研究が活発になっているが、西村の研究は期待も込めて「次世代ポストゲノム」と呼ばれている。 生粋の学者だが、社交性に富み交渉力にもたけているとの声は多い。 二〇〇一年に糖鎖の自動合成装置を開発、装置と研究室の運営手腕に着目した塩野義製薬が西村と糖尿病の治療に使うインシュリンの共同研究に着手した。 たんぱく質でできているインシュリンに糖鎖を付け、血糖値抑制効果を持続させることを目指す。 糖鎖がたんぱく質を変える働きを応用した「たんぱく創薬」は世界でもまだ珍しい。 西村は一九九三年に北大最年少の三十三歳で教授に就任、二〇〇四年には国内化学分野で最も権威ある賞の一つである「高分子学会賞」を受賞した。 はたから見れば順風満帆な研究者人生に見えるが、本人からは「実は挫折ばかり」と意外な言葉が飛び出す。 父親が化学教師を務める北海道千歳高校に進学したが、歴史や政治経済に関心が高く、当初は東大や京大を目指した。 だが、現役合格は難しいと判断し、北大理学部に志望を変更。 四年生の時には成績が思わしくなく、学生に人気があった遺伝子や細胞などをテーマにする研究室に入れなかったという。 たまたま入った研究室で出会ったのが糖鎖だった。主要な研究テーマではなかったが「だれも注目していない分野にこそ、掘り出し物がある」と発想を転換。 糖鎖の機能を確かめるため、昔の論文を読み返しながら合成に取り組んだが、独学のため思うような結果が出なかった。 転機は大学院修了後に入った理化学研究所(埼玉県和光市)で訪れた。 実験の水準や機器は大学をはるかに上回り、見るもの、聞くものすべてが新鮮だった。 懸命に研究を続け、手作業でようやく糖鎖の合成に成功。 そのノウハウが自動合成装置の開発につながった。 研究で壁にぶつかることは多いが、決してあきらめない。 「難しい、分からないからといって、そのままにしておいては進歩がない。 大学院時代に苦労した経験があったからこそ、理研で解決すべきポイントが分かった」と振り返る。 自動合成装置を活用した「たんぱく創薬」とともに、今後、力を入れるのが糖鎖の構造解析だ。 糖鎖は病気の発症前後で構造が変化するため、予防診断に活用できる。 〇五年度末までに自動解析装置を開発し、米サン・マイクロシステムズなどと病状ごとに構造変化のデータベースを作成、診断や治療に役立てる。 実現すれば医療への貢献は大きい。 その時、「将来のノーベル賞候補」の呼び声は一段と現実味を帯びる。 --- 糖鎖研究においては日本が世界をリードしています。 西村教授に是非頑張っていただいて、「日本の糖鎖研究」でノーベル賞をとっていただきたいものです。 2003年5月23日付けの日本経済新聞に以下のような記事が掲載されました。 --- 【がん治療法共同研究 塩野義などと「糖鎖」データベース化 】 北海道大学は塩野義製薬、日立ハイテクノロジーズ、米サン・マイクロシステムズと共同で、人の細胞の表面にある糖鎖に着目したがん治療法の研究に着手した。 糖鎖の変異に関する情報を胃がんなど症状ごとに集めてデータベースを作り、三年後をメドに新たな診断法や新薬の開発につなげる。 共同研究は北大大学院理学研究科の西村紳一郎教授を中心に進める。北大医学部付属病院などで同意を得た患者からがん細胞を入手し、糖鎖の構造変化についての情報を収集。日立ハイテクノロジーズの測定技術、サン・マイクロシステムズの情報処理技術を活用し、データベースを築く。 蓄積したがん細胞の糖鎖の情報と正常な細胞とを比べれば、患者の診断や薬が効いているかどうかを確認できるという。塩野義製薬などとの研究では、異常な糖鎖を正常に戻したり、破壊したりする薬の開発を目指す。 --- 大学と製薬会社の組合せはわかりやすいのですが、そこに日立ハイテクノロジーズとサン・マイクロシステムズというIT関連会社が名を連ねているので、ちょっとびっくり!しました。 といっても、ヒトゲノムの解読にしても、たんぱく質の解明にしてもデータベースはなくてはならないものです。 糖鎖の解明もしかり! このニュースは糖鎖研究が本格的に、しかも大々的に進められていることを物語っています。 またまたニュートンネタですが... --- 体をつくるときにも糖鎖は重要な役割をもつ。たとえば、脳が正常につくられるためにも必要だ。ヒトの脳では、数千億個の神経細胞が神経回路を形成して、情報を処理している。情報は神経細胞の中を電気信号として伝わるが、神経細胞だけでは速度が遅い。そこで、神経細胞には、オリゴデンドロサイト(グリア細胞の一種)がきつくまきつき、絶縁体をつくることで、高速の情報伝達を実現している。この「髄鞘」とよばれる構造をつくりだすのに、糖鎖が必要なのだ。糖鎖がないと、オリゴデンドロサイトがきつく巻きつけずに、完全な絶縁体をつくることができなくなる。それではすばやく情報を伝えられなくなってしまう。この髄鞘形成にかかわる糖鎖をつくれないように遺伝子を改変したマウスは、ふるえや運動失調があらわれ、すぐに死んでしまうと報告されている。 --- 私たちの最も重要なCPU、脳! 日々、感じ、考え、行動するための大変重要な処理を行ってくれています。 こんな重要な脳といえども一つ一つの細胞で構成されています。 それぞれの脳細胞、神経細胞が正常なコミュニケーションをとり、より正確な判断をしてくれなければなりません。 漢字で書くとたった2文字の「糖鎖」 実は生命維持の鍵をにぎっている重要なキーワードなんですね。 以前、このブログで「生命の誕生の瞬間にも大きな役割」と題して投稿しましたが、科学雑誌ニュートンに以下のような記事が載りましたので引用します。 --- 細胞の顔「糖鎖」は受精にも必須 糖鎖は、「グルコース」や「フコース」などの糖が、鎖状につながったもので、私たちの体内でさまざまな役割を果たす。糖鎖は核酸、タンパク質につぐ「第3の生命鎖」といわれる。DNA(デオキシリボ核酸)やRNA(リボ核酸)の構成要素であり、エネルギー源でもある。ここでは、とくに細胞の顔としてはたらく「複合糖質」とよばれるものをみていくことにしよう。複合糖質とは、タンパク質や脂質に糖鎖が結合したものである。最近の研究によると、ヒトでは、体内の全タンパク質の約50%以上に糖鎖が付加されているという。 細胞膜には、タンパク質や脂質が埋め込まれた状態で多数存在する。糖鎖は、タンパク質や脂質に結合した複合糖質の一部として、細胞の表面にひげのように出て、細胞間のコミュニケーションにかかわっている。私たちが人の顔を見て、友人なのか、見知らぬ人なのかを見分けるのと同じように、細胞どうしは、糖鎖によって認識し合うのである。たとえば、精子が卵子に出会い受精するときも、糖鎖がかかわる。卵子表面は卵子を保護する「卵黄膜」に覆われている。受精するためには精子がこの膜を突破して卵子までたどりつかなければならない。精子は、卵黄膜表面にでた糖鎖と結合することで卵黄膜を突破し、受精することができるのだ。不思議なことに人工的に卵黄膜をとりさった卵子に精子をかけても受精しないという。糖鎖を介したコミュニケーションは受精の必須条件であるのだ。 --- 特に日本の成人男性は精子が少なく不妊の原因になっているといわれています。 これはこれで別の観点から大変深刻な事態ですが、糖鎖の観点から見てみると、やはり糖鎖が正常にはたらかないことにより、精子と卵子が結合しにくいということも重要なポイントとなってきます。 精子のもつ糖鎖と卵子のもつ糖鎖がそれぞれ正常でしっかりコミュニケーションがとれれば、その出会いの場はドラマチックなシチュエーションになるような気がします。 糖鎖の役割やそのはたらきを調べれば調べるほど大変うまくできているな〜!と感じます。 人体を会社組織や国家組織に置き換えてみると理想的な組織形態が見えてくるかも知れません。 今までは、脳がすべて考え、人体におこる現象に対する指令を出していたと思われがちでしたが、糖鎖をみているとどうもそうでもなさそうです。 アンテナやセンサー、細胞の顔の役割をする糖鎖は、ミクロ世界の現場でおこるさまざまな事件や問題(ウィルスの侵入やがん細胞のはっせいなど)を現場で考え現場で処理しているということなのです。 会社組織においても脳に相当する社長を中心とする取締役会が文字通り「ブレーン」ですが、現場でおこる小さな問題のそのほとんどが現場で処理されています。いちいちブレーンに話を持って行ってたらもっと大きな全体の動きが鈍ってしまいます。 社員同士のコミュニケーションにより、的確に判断され処理されていきます。 その場合、その社員だけでは処理しきれない問題となると上へ上へとその判断をあげていくわけですが、社員を細胞に置き換えてみると、色々見えてきます。 何かのプロジェクトチームを結成し、プロジェクトを進めていくとき、一人でもコミュニケーションをとらない社員がいるとチームはぎくしゃくしたり、それによってチームとして機能しなくなったりするときがあります。 ミクロの細胞の世界でもまさしく同じで、糖鎖の異常は病気の原因になります。 如何に正常で活発なコミュニケーションをとることが重要かということがわかってきます。 ですから、会社のブレーン(脳)は、社員同士が正常で活発なコミュニケーションをとれる環境を整えるだけで、健全で活発な組織になっていくのではないでしょうか。 また、突き詰めていくと、このブレーン自体も人で構成されているわけですから、きちっとコミュニケーションをとっていかなければ重要な決定をするときにその判断を誤るかもしれません。 細胞と細胞のコミュニケーション、人と人のコミュニケーション、これは大変重要なテーマですね。 2001年1月31日付けの読売新聞の記事を引用します。 --- たった一つの糖鎖がたんぱく質にくっつかなくなっただけで生物が死んでしまう。 大阪大の谷口直之教授(生化学)が、マウスを使って実験したところ、こんな結果が出た。 遺伝子を操作して酵素の一つを働かなくしたマウスをつくった。 この酵素は糖鎖をたんぱく質にくっつける役割がある。しかし、遺伝子を操作したマウスでは糖鎖がつかない。マウスは生後1ヵ月以内に死んでしまった。 このたんぱく質はまだわかっていないが、生物の生存に欠かせないとみられ、糖鎖の変化で働きが変わったらしい。 「糖鎖が生命にかかわる重要な役割をしている証拠です」と谷口教授。 --- 細胞の表面に産毛のようにして付いている糖鎖! 脳や心臓はその大きさや役割からして大変重要な器官であり臓器ですが、私たちの体を構成する60兆個の細胞一つ一つにくっついている糖鎖は、それ以上重要な役割をする物質なんですね。 なぜなら、脳や心臓も細胞から構成されているから.... 「糖鎖」は次世代ポストゲノムとして新聞や科学雑誌などで特集などが組まれています。 また健康ブームも手伝って、一つのキーワードとして「糖鎖」が注目を集めるようになりました。 そんんなか、みのもんたの「思いっきりテレビ」でも糖鎖は紹介されました。 下の映像は、2005年5月13日に放映されたもので、フリップなどを使い、難しくわかりにくい糖鎖に関して結構わかりやすく説明してくれています。 細胞のアンテナ、糖鎖の働き 番組では、「世界の医学界が注目!ガンから肥満まで防ぐ細胞のアンテナ(糖鎖)は...」で始まり、「ガン、肺炎、カゼ、インフルエンザ、アレルギー、リウマチ、肝炎、心筋梗塞、動脈硬化、脳卒中、高血圧、腎炎、胃かいよう、大腸炎、食道炎、糖尿病、認知症、うつ病、骨粗しょう症、肥満など、200種類以上の病気を感知し、対処するよう様々な細胞に伝え、病気を防ぐ。」とあります。 みのもんたは、番組の中で「本来持っている私たちのアンテナを強くしよう!」といっていますが、私たちが普段よく耳にするほとんどの病気が糖鎖を正常にすることによって防ぐことができるというわけです。 厚生労働省は100以上の病気が糖鎖の異常に原因があると発表しています。 私たちを取り巻く環境や食生活の変化により、摂取できる栄養素も変化してきています。 糖鎖栄養素をきちっと理解し、摂取することにより、私たちのアンテナを正常にはたらかせなくてはならない時代になったようです。 株式会社島津製作所勤務で、化学者でありエンジニアの田中耕一さんは、2002年「生体高分子の同定および構造解析のための手法の開発」により、ノーベル化学賞を受賞しました。 なお、当時博士号もなくエンジニアの一人だった田中さんは、受賞に先立ち、1983年に卒業した出身校の東北大学から2002年10月31日に名誉博士号が授与されましたが、「自分は職人的科学者である」として、ノーベル賞授賞式会場でも敬称にドクターではなく、ミスターを使うよう申し出たという経緯があるそうです。 現場にいることを好んだため、勤務する島津製作所でも再三の昇進の話を拒み、ノーベル賞受賞時も島津製作所に於いては年齢的に不相応な係長という職にいたとのことです。しかし同賞受賞に伴い会社の業績に多大な功績を与えたため、島津製作所は待遇を上げた上で現場に留まれる「フェロー」という職制を新たに創設したそうです。 現在では、内閣府の総合科学技術会議にも参加し、日本の科学政策に影響を与える存在にまでなっています。 さて、ここで「糖鎖」の話です。 この田中耕一さんと糖鎖がどう関係があるのかというと、下記の新聞記事をご覧下さればわかると思います。 --- 2002年10月16日 日本経済新聞 【ポストゲノム研究 - 田中氏の智恵“活用”】 【「糖」分析、薬にも道】 島津製作所と産業技術総合研究所は、がんや免疫疾患など病気の発症に関係する「糖鎖」と呼ばれる体内物質の構造解析プロジェクトに来年から乗り出す。 ノーベル化学賞受賞が決まった島津の田中耕一主任研究員を中心に糖鎖の構造を分析する次世代の質量分析計を開発する。 ノーベル賞研究者の知恵を活用し、ヒトゲノム(人間の全遺伝情報)解析解読終了後のポストゲノム研究の中核をなす糖鎖の分析で欧米に先行する。 --- 現在では、田中さんが中心となり、糖鎖医工学研 究所で、糖鎖分析に取り組んでいます。 細胞のアンテナとか、センサーとかいわれている糖鎖は、具体的にどんなはたらきをしているのでしょう! 以下にその糖鎖のはたらきをわかりやすく分類してみました。 1.細胞の種類・状態を認識する。 2.ウィルスや細菌を認知し伝達する。 3.ホルモンや神経からの刺激や酵素を識別する。 4.免疫細胞(白血球など)に対して病原菌への攻撃や指示を出す。 5.ガン細胞の発生を知らせる。 以上のように、私たちの体内において、結構重要・・・というか、めちゃめちゃ重要な役割を持っているのが「糖鎖」なのです。 燕窩(えんか)とは、ツバメの巣のことで、独特のゼリー状の食感が特徴です。 スープの具やデザートの素材や飾り付けとして用いられます。 主にアナツバメ類の唾液腺からの分泌物からできています。 成分としては、タンパク質と多糖類が結合したムチンが主成分であり、タンパク質と共に、糖質の一種であるシアル酸を多く含み、8つの糖鎖栄養素のうちの6つまでを含んでいます。 また、中国では古くから美容と健康によいとされている漢方食材でもあります。 ふかひれや乾しあわびとともに高級中華食材として珍重されています。 ところで、日本でツバメの巣と聞くと、泥やわらのような物でできた巣を連想しますが、アナツバメは唾液腺からの分泌物のみで巣を作ります。 東南アジアに生息し、人が簡単にとることが出来ないくらい高い洞窟の中や海岸近くの断崖に巣を作ることが特徴です。 糖鎖はアンテナやセンサーの役割がありますが、その糖鎖にしっかりとはたらいてもらうためには栄養素が必要です。 その栄養素が、以前にも書きましたが、 1.グルコース 2.ガラクトース 3.マンノース 4.キシロース 5.フコース 6.N-アセチルグルコサミン 7.N-アセチルガラクトサミン 8.N-アセチルノイラミン酸 の8つです。 ここで問題なのは、通常の食事で普通に摂取できるのは、はじめの2つ、つまり「グルコース」と「ガラクトース」だけなのです。 あとの6つは通常の食事ではなかなか摂取できないということです。 糖鎖栄養素がある程度含まれている食材としては、燕窩があります。 燕窩とはツバメの巣で、ゼリー状で独特の食感があり、中華料理では有名です。 ひじきやもずく、めかぶなどに含まれるフコイダンが糖鎖栄養素であるフコースを含有しています。 また、アロエやサボテンなどにも糖鎖栄養素が含まれています。 がんの研究は、糖鎖抜きでは考えられないほど、糖鎖を基準にしたがん研究は急速に進んでいます。 以下に、科学雑誌ニュートンの記事を引用します。 --- 糖鎖のはたらきが急速に解明されている疾患が、がんである。がん化した細胞には、特殊な糖鎖があらわれることが知られている。「肝臓がん」「すい臓がん」などがんの種類によって、ちがう糖鎖があらわれる。そのため、がんかどうか、どのようなタイプのがんか、ということを調べるために、糖鎖は「がんマーカー」として実際の検査ですでに利用されている。 さらに糖鎖は、がんの性質にもかかわることがわかってきた。転移しやすい、いわゆる悪性のがんでは、“悪玉”の糖鎖が出現するという。悪玉糖鎖があると、がん細胞は病巣で密集しにくくなる。つまりがん細胞どうしがはなれやすく、血液に流れでるがん細胞が多くなるのだ。また悪玉糖鎖は、血管壁(内皮細胞)にくっつきやすい性質ももつという。血管についたがん細胞は、血管壁をやぶり、組織の中に侵入する。これによって、もとの病巣とはことなる場所にがんが転移するのである。 この転移しやすいがんを、糖鎖の形をかえることで、転移しにくくする研究が行われている。マウスの実験で、がん細胞の悪玉糖鎖に担当を一つ追加して、糖鎖をいわば“善玉”にかえ、がん細胞の性質をかえることに成功している。善玉糖鎖になると、まず病巣でがん細胞どうしが結合しやすくなる。きっちり密に結合することで、血液中にがん細胞がもれにくくなる。もし血管中に入ったとしても、血管にくっつきにくい性質をもつため、ほかの組織に侵入することが少なくなるのだという。 この悪玉糖鎖は、ヒトの皮膚がんや胃がん、乳がんなどであらわれていることがすでにわかっている。そのため、糖鎖を改変することで、ヒトのがん転移の薬開発につながるかもしれない。今後さらに、解析を進めていくという。 --- 「悪玉糖鎖」という言葉にはちょっとドキッとしますが、現代社会の食文化によって、糖鎖栄養素不足が叫ばれる中、糖鎖に異常をきたすことにより、「悪玉糖鎖」なるものが出現するようです。 普段の食事やサプリメントで糖鎖栄養素の摂取を心がけたいものです。 実は、ウィルスが人に感染しようとするとき、細胞の糖鎖をターゲットにします。インフルエンザウィルスやエイズウィルスなど、それぞれウィルスによってターゲットとなる糖鎖はちがうのですが、糖鎖を認識することで細胞に侵入し感染します。 つまり逆に考えると、ウィルスが糖鎖と結合しなければ感染はおこらないというわけです。 そういった意味では、糖鎖をコントロールすることによってウィルスに感染しないようにすることが可能だということです。 その成果の一つとしてはインフルエンザの治療薬タミフルがあります。 また、エイズウィルスに関する薬の研究も進んでおり、糖鎖研究によってウィルス関連の病気は大きな飛躍が期待されています。 2001年1月31日の読売新聞に以下のような記事が載りました。 --- 【糖鎖研究 官民が一丸】 【機能解明し特許化 治療法飛躍に期待】 【がん、アトピー、じん不全・・・発病に関与】 経済産業省は三十日、ヒトの細胞の「身分証明書」と言われ、「ポストゲノム」研究の柱の一つとなっている「糖鎖」の機能を解析するため、2001年度からの3年間に国の予算27億円を集中的に投入することを明らかにした。 2月中に国の関係研究機関と民間企業による共同チームを作って研究を開始し、特許権の取得を目指す。 この分野の研究は日本が欧米をリードしているため、特許取得に向けて研究を一気に加速させることにした。 --- 糖鎖の研究は日本が世界をリードしています。 特に国家のプロジェクトとして経済産業省、厚生労働省が乗り出しているので、「糖鎖」が一過性のブームではないことをあらわしています。 さらに以下のように記事は続きます。 --- どのような糖鎖がついているかでたんぱく質の体内での働きが決まり、がんやアトピー性皮膚炎、じん不全、リウマチなどは患部のたんぱく質に普通とは違う糖鎖がついていることが発病につながっていると見られている。 このため、糖鎖の機能を解明し、構成する糖の組み合わせを変える薬品を開発できれば、難病の早期発見や治療が飛躍的に進むことが期待できることから、世界各国の製薬会社などの間で注目が集まっている。 --- 日本でも塩野義製薬や大塚製薬が本格的に糖鎖研究に取り組んでおり、創薬が期待されています。 第1の医療革命は、イギリスの医学者、エドワード・ジェンナーが発見した「ワクチン」 第2の医療革命は、青カビから産生されるペニシリンで有名な「抗生物質」 第3の医療革命は、「遺伝子治療」 糖鎖は第4の医療革命といわれています。 「糖鎖」それ自体ではなく、糖鎖研究によってその構造やはたらきが明らかになることで、新しい薬を創ることができるというわけです。 糖鎖が正常で初めて免疫機能が正常にはたらき、日々の生命活動が営まれるのです。 つまり、糖鎖の異常が病気を引き起こす原因となっているわけです。 その糖鎖を正常に直していく薬が開発されたら、これはもう医療革命以外の何ものでもないでしょう! 経済産業省は、2001年、27億円を投じ、がんや免疫に関係する遺伝子を研究すると発表し、厚生労働省は、2006年から「糖鎖の解明」を研究すると発表しました。 そして、各大学も研究チームを組んだり、研究所立ち上げて糖鎖研究に力を入れています。 各企業や団体などもいち早く糖鎖に注目しました。 大塚製薬や塩野義製薬、キリンビールなどなど、先駆けて研究しています。 日本の糖鎖研究は、本格的になったのはここ最近で、世界的にも一歩リードしています。 |
||